ロボティックアーム手術支援システム「Makoシステム」

「Makoシステム」導入

当院ではこのたび、日本で初めてとなる整形外科向けのロボティックアーム手術支援システム「Makoシステム」を導入いたしました。これにより人工膝関節全置換の手術を保険診療として提供できるようになりました。

この治療は人工膝関節全置換術の新しい手法であり、保険診療で受けることができます。

ロボティックアーム手術支援システムとは

ロボティックアームは、一般的に「人の手の代わりとして作業を行う機械の腕」を指します。この装置は人の手のようにぶれることがなく、正確に動き、また止まる特性を持ちます。

当院が導入したロボティックアームは、術中に医師が直接操作するタイプで、人工関節を設置する際に痛んだ骨を削る作業に使用されます。

ナビゲーションシステムを併用することで、治療計画通りに手術器具を正確に移動させ、人工関節も正確な角度で設置することができます。

また、このロボティックアームは、少しでも治療計画から外れた動きをしようとするか、治療計画にない部位に近づくと、自動ブレーキのように自動的に停止します。これにより、計画外の動きは自動的に制御され、安全かつ精密な手術が可能となります。

Makoシステムがもたらすメリット

これまでの研究において、ロボティックアームを用いて人工関節全置換術を行うと、人工関節の設置精度の向上（*1）が認められ、さらに疼痛の低減（*2）などのメリットが期待できるとの結果が出ています。

変形性関節症などで悩む患者さんが、人工関節全置換手術後、健康的な生活を送っていただけるよう、当院では今後積極的にロボティックアームを用いた手術を行ってまいります。

1. Hampp EL, et al, Robotic-Arm Assisted Total Knee Arthroplasty Demonstrated Greater Accuracy and Precision to Plan Compared with Manual Techniques., The Journal of Knee Surgery. 32(3), 239-250 (2019).
2. Marchand RD, et al. Patient Satisfaction Outcomes after Robotic Arm-Assisted Total Knee Arthroplasty: A Short Term Evaluation. The Journal of Knee Surgery. 30, 849-853 (2017).

人工膝関節全置換術

膝関節痛の治療方法は、患者さんの自覚症状やエックス線検査（レントゲン）などの診断結果に基づいて決定されます。 最初に、消炎鎮痛剤をはじめとした薬物療法や運動療法、杖などの装具療法が行われます。
これらの治療で症状が改善しない場合には、手術（骨切り術や人工関節置換術）の適応となります。

人工関節置換術は、傷んだ骨を取り除き、人工の関節（インプラント）に置き換える手術であり、痛みを取り除く効果が高いとされています。

Makoシステム紹介動画

Makoシステムを用いた手術をご希望の方

当院整形外科を受診する際に「Makoシステムでの手術を希望している」旨をお伝えください。
はじめて当院にかかられる方は、受付の際にお申し出ください。